脚本家の内館牧子が、東北大の大学院に通って宗教学を学んでいたときのことを書いたエッセイ、『養老院より大学院』(講談社文庫)を読みました。
養老院より大学院 (講談社文庫) 内館 牧子 / / 講談社 ISBN : 4062757745 スコア選択: この本、2006年11月に親本が出ているので1年もしないうちに文庫になっているのは、講談社にどういう政策があるのかなとかんぐってしまいました。 それはともかく、私にとっても懐かしい仙台のお話で、今も研究室では20年前と同じように、みんな一生懸命勉強しているのだなという様子がわかって、感傷的な気分になってしまいました。 だからというわけではないですが、宗教学と隣接分野の民俗学の本を、多分卒業してからははじめて読みました。宮本常一の『空からの民俗学』(岩波現代文庫)です。 出張で乗った全日空の機内誌にこの本のことが紹介されていて、とても気になり早速購入して少しずつトイレ読書していたのです。 1枚の写真をもとに読み取れることを書いていくしみじみとしたエッセイです。 1980年ころにその機内誌「翼の王国」に掲載した記事と、自身が主宰していた「あるくみるきく」という雑誌に書いた記事をまとめたものです。書かれたのはもう四半世紀も前で、その時点で失われつつある光景が記されていますので、今同じ場所はいったいどうなっているのでしょうか。 飛行機から見られる眼下の様子や、車で走り抜ける農村の風景の中に、そこに暮らす人間の営みがあるわけで、もっとそういったものを丁寧に見ていこうと思いました。 空からの民俗学 (岩波現代文庫) 宮本 常一 / / 岩波書店 ISBN : 4006030339 スコア選択:
by secretsheep
| 2007-10-06 07:55
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